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Hotwired Japan 更新メール後書き

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■12/26/2001
「デジタルをベースに、持続可能な社会の可能性を探る」という方針で進めてきたホットワイアードだが、時代の流れを感じとりながら、次の時代への明るい展望を示したいと考えていた私には、今年はちょっと辛かった。
 ネットバブルの崩壊は、以前の過剰な期待の反動からか、ビジネス面だけでなく、ネットの可能性そのものが否定される風潮を生んでしまった。そして・・9.11。アフガンで起きている悲惨な状況を見聞きするたび、自分は何ができるのか、と考えさせられる。マスメディアでは報道されていない多くの情報が、ネットで流れ、そのポイントを示して、多面的な視点を提供しようと試みるが、着々と進む事態の前で、非力さと虚しさに襲われた。情報を集めれば集めるほど、何も変わらない・・と、ついニヒリスティックになりそうになる。
 それでも、「明るい未来を期待しないと、何も始まらない」。何かしなくてはと、なにがしかのアクションを起こした方々には、こんな気持ちがあったのではないだろうか。あとは、この思いを、どれだけ現実化できるのかだ。来年は、「行動」のノウハウの蓄積と伝達を心がけたいと思っている。
 今年の週刊(毎火曜日)更新もこれで最後。みさなん、今年1年ご愛読いただきまして、ありがとうございました。よいお年をお迎えください! Love & Peace !

■12/18/2001
 W杯のチケットをゲットするために、電話しまくり。リダイアル機能で、数百回電話した後、ようやく二次販売事前登録番号を獲得。販売がスタートした先週、また電話かけまくるが、まったく繋がらない。ぐったり・・。
 さて、ネットバブル崩壊とともに、デジタル社会を考察する日本発の書籍の出版は、すっかり影を潜めてしまったけれど、本誌でも連載中の池田信夫氏の『ブロードバンド戦略 勝敗の分かれ目』が、先日出版された。次世代携帯電話、ブロードバンド、デジタル放送、NTT問題・・と、これからの日本の情報社会の行方を考える上で、的確な指針となること間違いなしの好著だ。
 さて、戦況もすでに決着した、ということなのか、アフガンやパレスチナ問題への人々の関心の波が、すうーっと退いているようで恐い。この飽きっぽさは、自分自身も気を付けないといけないが、この間に起きた自分の中での変化は、もう後戻りはしないだろう。かっては、できるだけ「政治」問題に関わらないようにしていたし、興味を持つとしても、文化的または経済的アプローチまでだったのだが、あの日以降、もう一歩踏み出したように思う。そして、政治にコミットするとしたら、よりプラグマティックに、どうしたら政策に反映されるのか、というところに関心がシフトしてきている。いきつくところは、‘よりよい民主主義の姿とは?’だ。
 塩野七生氏の朝日新聞での「9月11日をもって21世紀は始まったのだと思う」という発言にうなずく。

■12/11/2001
 仕事が滞ったときなどには、気分転換が必要だ。酒もタバコもたしなまず、ギャンブルする度胸もないかわり、胃腸に負担が・・という情けない傾向にあった僕だけれど、最近、公園の近くに引っ越して、頭に血が溜まってるな〜(^^;)と思うと、せっせとジョギング。一汗かいて、少しさっぱり。年末ですが、みなさんも息抜きしながら、お仕事がんばってください。
 週末は、ピースパレードへ。これまでのピースウォークに、DJが加わっての大規模パレードとなった。多くの人たちが参加したのはよかったけれど、なにか、真摯な姿勢やメッセージ性に欠けて、ややがっかり。路上で見かけた人たちも、パレードの主旨がちゃんとわからなかったのではないかと心配だ。楽しい雰囲気だけでは、広くメッセージは伝わらない。これまでのピースウォークのほうが、雰囲気はよかった。なかなかバランスが難しい。
 パレスチナ情勢は悪化。このままイラク空爆、などということにならないといいのだけれど。

■12/4/2001
 W杯の組み合わせも決まって、気分も盛り上がる。家人は、ボランティア・スタッフとして登録したが、肝心のチケットをなんとかせねば〜! なんとかなる筋(^^;)ないものか〜。
 こんなこと言ってるまに、アフガンの状況は、ますます深刻のようだ。ペシャワール会が、また近況を報告してくれている。<http://www1m.mesh.ne.jp/~peshawar/inochi-r55.html>>
「北部同盟カブール進駐以来、カブールを除く全アフガニスタンで治安が急速に悪化。各国の救援団体、WFP(世界食糧計画)、国連組織は、カブール市以外の地域で困難に直面している。厳冬を迎えてアフガニスタン全土が恐るべき状態」。新聞やテレビでは、関心はすでに‘タリバン後’に移っていて、こうした事態がまったくわからないのが恐い。
日曜日は、代々木公園で、会いましょう。

■11/27/2001
 日曜日、天候にも恵まれ日比谷野外音楽堂で、古代フラダンスを観る。このフラ・カヒコ(古代フラ)は、本来儀式で踊られるもので、エンターテイメントとして人前で、演じるものではないのだが、今回、あるメッセージを伝えるため、ハワイの伝統継承者が来日した。ハワイ島に、日本企業によってゴルフ・リゾートが開発されており、その工事で、先住民の聖地が破壊され、祖先の遺骨も掘り起こされ、沿岸部への土壌流出を引き起こしている、という。www.jca.apc.org/arco/jal/
 今回は、この事実を広く日本で伝えるための来日だ。ふくよかな古代フラ継承者によるダンスは、ゆったりとした南の地のおおらかさを感じさせてくれたが、公演が終わると、涙ながらに現地での状況を訴えた。楽園・ハワイを楽しんだ、楽しみたいと思う日本人、すべてが考えるべき問題だろう。
 さて・・今春までイラン北東部で、アフガン難民の救援医療活動を行っていた国境なき医師団の永井真理医師の講演に行く。以前は、内紛が激化するスリランカで活動をされていた、とのこと。淡々と、爽やかに語られる一つ一つの言葉が重い・・。  

■11/20/2001
 しし座流星群を見に、近所の公園へ。お湯割り梅酒をポットに入れ、寝袋持って、準備万端。夜中の公園は、恐いな・・と思っていたら、ご同好の方々が、意外に多くてビックリ。芝生に寝転がって、流れ星を見つけるたびに「ウォー」と声があがる。東京でも、これだけ見られたのだから、夜空の暗い地方で見たら、さぞや凄かっただろうな。何かホッとした。
 土曜日、ペシャワール会の中村哲医師の講演会へ。定員650名の会場が、1000人以上の人々で溢れかえる。刻々と変わる情勢の中、現地ではいったい何が起きているのか。皆、中村医師の話を食い入るように聞く。これだけ、テレビ局から映像が流され、新聞で情勢が分析されていても、多くの人たちが報道を信用していいのか、わからなくなっているのだろう。できるだけ多くの情報を取り込んで、自分で判断するしかない。「戦争」という局面では、ますますそうした個々の判断力が問われる。

■11/13/2001  日曜日、快晴。またピース・ウォークに参加する。今回の参加者は、300人ほど。渋谷・原宿の車道を、先導車が流すジョン・レノン聞きながら、散歩。今回は、いろいろ考えず、ピースな気分が大切だ、ぐらいな気軽さで歩いた。
 パキスタンのイスラマバードにある旅行社「日パ旅行社」のウェブレポートが、ますます凄い。http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nippagrp/obahan.htm
先日のパキスタンを訪れた与党幹事長や随行記者の‘ご乱行’ぶりのレポートは必読です。また、日パ旅行社は、テロ事件以降、アフガニスターンを取材する報道陣で賑わい、40日間で儲かった1000万円を難民支援のために寄付する、という。そして、そのレポートを日本で読み続けていた方々と「アフガン難民を支える会」を発足。「出来る者が、自分の出来る範囲で、出来ることをする」という言葉を噛みしめる。
 頭が痛くて、モニターを見るのが辛くなる。カゼかと思って、少し横になるが、いっこうにひどい頭痛が収まらない。起きあがって、ちょっと窓を開けると・・・すうーっと、頭痛が退いていった。危ない、危ない。ガスファンヒーターを点けっぱなしで、一酸化炭素中毒になるところ。間一髪セーフ! みなさんも、お気をつけください。

■11/6/2001
 今、自分にできる‘貢献’とは何かを考える。
 NHKの「課外授業・ようこそ先輩」シリーズが書籍化された『国境なき医師団・貫戸朋子』を読む。
http://www.fujinsha.co.jp/henshu/kanto.html 貫戸氏は、国境なき医師団の日本人第一号の派遣医師。この中で、「貫戸朋子の生き方は、損か得か」「自分なら行くか、行かないか」といったテーマを小学生がディベートするのだが、彼らの発言から、今、日本人が置かれている立場や考え方の多くが浮き彫りになる。そして、一言一言を慎重に選んで語る貫戸氏の言葉からは、戦場で起こっている悲惨さは、簡単に共有できるものではないということを感じることができる。
 国境なき医師団や、ペシャワール会などのNGO活動に、参加、寄付する以外に‘貢献’の方法はないのか。そこで、日本政府のODA(政府の途上国援助)のあり方や、世界銀行との関係に、関心がわく。本来なら、世界第一位の供与額を誇る日本のODAは、飢餓が問題となっているアフガンなどにもっと貢献していていいはず。しかし、日本の最大の援助先は中国で、その中国は、すでにアジア、アフリカなど50カ国に援助を行っている、という。援助額、毎年平均2千億円・・。
 他にも、ODAをめぐっては、悪い評判が多いが、こうしてまた政府を批判しても、虚しさが募るばかり。すっかり政治が信頼されなくなっている今、必要なのは‘民主主義の民主化’と説くアンソニー・ギデンズの『暴走する世界』を読んで、しばしうなずく。

■10/30/2001
 どしゃ降りの雨の中、「ピース・ウォーク」に参加する。ジョン・レノンやボブ・マーリーを流す先導車に続いて渋谷・原宿を歩く。参加者は、200人ほどだったろうか。ずぶ濡れになりながら、事故などがないように気遣う主催者のボランティアの方々には、頭が下がった。
 先週も、ある読者からメールをいただいたが、たしかにああしたデモをしても、社会に大きな影響を与えることはできないかもしれない。反戦を主張し、アフガンでの人々の状況を憂うとしたら他にも効率的な方法があるだろう。現代社会には他にもさまざまな問題があることは承知している。アフガンでは、一家10人が、2000円で、1ヶ月しのげると聞きながらも、モノで溢れかえる渋谷で一杯600円のコーヒーを飲む。デモなどしても、何も変わらない、と思わせるほど複雑に絡み合っている巨大な問題をどうしたら少しでも解決の方向に向かわせることができるのか。アピールのため、というよりも、自分で考えるために、歩く。
 今回の事件以降、世界中で発信されたさまざまな意見、情報が、瞬時にネットを通じて、共有されている。多くの知識人は、原稿料という生活の糧を度外視して、積極的に発言を始めているし、アフガンやパキスタンの状況も、マスメディアではわからないナマの声を知ることができる。こうした状況はかってなかったことだろう。テレビが東西の壁を崩したと言われるように、ネットがもたらす情報の共有は、世界大の問題解決に、今後大きな役割を担うはずだ。
 リナックス・ソサエティでは、プログラマーのプログラミングだけが貢献の形ではない。主体的な参加からは、さまざまな貢献のスタイルが生まれ、それらが少しずつ蓄積されていくのだ。この意味で社会においても、リナックス・モデルは有効なはず。情報共有のためにネットというツールは強力だ。心地良い社会を創るために、さらに各自がそれぞれの持ち場でクリエイティビティを発揮しよう。
 で、僕は、何ができるのか・・、考えるために、また歩く。

■10/23/2001
 とあるシンポジウムを受講する予定が、カゼで動けず。が、ウェブでストリーミングをやっていることを知り、机につっぷして聞く。音も映像もクリアで驚く。下手すると会場の後ろのほうの席に座るよりよかったかも。今後、こうしたサービスは増えるだろう。シンポジウム的なイベントは、今のストリーミング技術で流すには、最適なコンテンツかもしれない。内容によって、ある程度の需要が見込めるだろうし、映像の解像度もそこそこでいい。めずらしく、これだったら、お金払ってもいい、と思った。
 さて、日曜日。「国際反戦デー」で、アメリカ大使館までのデモに参加・・するつもりで、集合場所へ。しかし、多くの労働組合の旗や、スピーカーから聞こえる言葉遣いに、何か、「違う」ものを感じて、行進が始まる前に、会場を逃げ出す。せっかく来たんだからと、頑張ろうとしたのだけれど、どうしてもあの雰囲気がダメだった。馴染めない。
 そして、急いで、違う場所で行われていたピースウォークへ。こちらは若者主体で開かれた雰囲気がよかった。しかし、すでにデモは終了していて最後の挨拶。いったい、オレは何をやっているんだ。自分のへなちょこぶりが悲しくなる。ガ〜。

■10/16/2001
 こんなとき‘自分に何ができるのか’と問う。アフガンで、井戸を掘り、医療活動しながら難民救援を続けるペシャワール会のことなどを知り、自分の日常を振り返ると本当に情けなくなる。さっそくペシャワール会に入会し、署名サイトに署名、ワンクリック募金サイトで、1日ワンクリック。そして、このホットワイアードでも、役立ててもらえそうな情報を、少しづつピックアップ・・。しかし、そうしている間にも、政治の動きはとまらない。虚しさがつのる。
 「VOTE.co.jp」社長、横江公美氏の新刊『Eポリティクス』を読む。2000年のアメリカ大統領選を機に急速に市民権を得た、インターネットを使った選挙活動、ロビー活動、政府サービスなどについて紹介したもの。その中で、連邦議員への陳情メールが盛んに発信され、効果を持っていることや、陳情メールの具体的な書き方が紹介してある。 1. 陳情の手紙は、1ページを越えない。
2. 冒頭に、必ず宛先議員の「選挙区民であること」と、どの法案についての意見であるかはっきりと述べる。
3. なぜそう考えるのか、有力な理由を3つ挙げる。
4. そう考えるにいたった個人的な経験があれば、具体的に記す。
5. 宛先の議員と個人的な関係、たとえば投票したことがある、選挙資金を提供したことがある、などを明記する。
そして、6. 議員は自分たちの代表なのだから、自分の意見を告げることを恐れないこと。
 各々、自分の持ち場でできることをやりましょう! しかし、これまでの「日常」も大切だから、ホットワイアードには、これまでどおりデジタル系の情報もちゃんと載せていこうと思ってます。

■10/10/2001
 とうとう始まってしまった・・。何とも言えない虚脱感に襲われるが、自分に出来ることを、できる限りしなくては、と思う。
 TV特番でしゃべりまくる学者や評論家の言葉が、空疎だ。先週もご紹介したが、アフガン難民救助の活動を続けられているペシャワール会の中村哲医師の最新の言葉が、サイトにあがっている。http://www1.mesh.ne.jp/~peshawar/archive.html 報道からは伝わらない事実がある。
 『ラムゼー・クラークの湾岸戦争──いま戦争はこうして作られる』を読む。元米国司法長官だったラムゼー・クラークが、湾岸戦争で、アメリカがイラクに対して何を行ったか詳細に記述し、アメリカの行為は、戦争犯罪であるとして、ブッシュ大統領(親父)を告発している。ここに記されていることは、まさに衝撃だ。湾岸地域における米国の支配確立の歴史。民間施設への爆撃。経済制裁による悲惨な戦後。適切な情報提供を行わなかったメディア。「アメリカは何年にもわたり対イラク攻撃を計画していて、イラクをクウェートに向け進攻させるよう挑発し、その進攻によって米国の対イラク攻撃を正当化しようとした・・」「湾岸戦争は、米国のペルシャ湾支配を、そしてその石油を介した世界支配を、揺るぎないものとするために行われた侵略戦争だった」。・・必読です。
 今回の空爆が、湾岸とすべて同じだと言いたいわけではないが、米政府の傾向が変わりようがないものであることも事実であるようだ。そして、湾岸戦争時は、「攻撃の結果として25万人のイラク人が死亡し、その大部分は、非戦闘員だった」。

■10/2/2001
 テロ事件をめぐって、日が経つにつれ、冷静な反応が増えている。大事にかこつけて、一気呵成にことを進めようとするのも問題あり、だけれども、熱しやすく冷めやすいってのも心配。今回の事件では、安全保障、憲法、国のあり方、宗教、グローバル資本主義経済と貧困、メディアとネット・・といったさまざまな問題を、改めて根元から考えさせられる。そういう意味でも、まさに時代の‘雰囲気’を変える転機となりそうだ。
 今、各自何ができるのかが、問われるわけだが、すばらしい活動を続ける日本人の存在を知る。中村哲医師は、1984年から、パキスタン北西辺境に診療所を建設し、ハンセン病患者などの治療にあたり、86年から、アフガン難民のためのプロジェクトを立ち上げて、無料診療に当たられている。一度、帰国されたが、この10月にまた、支援物資を持って、再度現地入りされる、とのこと。この中村医師と、NGOペシャワール会についての情報は、こちら。http://www1.mesh.ne.jp/~peshawar/
   さて、ホットワイアード4周年記念プレゼントへたくさんのご応募をいただきまして、ありがとうございます。抽選で100+4人の方に、ささやかなプレゼントを用意させていただいているのですが、その中の目玉は、地球時計wn-1 。この時計は、「エコロジーとエコノミーの共存」を基本テーマとするThink the Earth プロジェクトから生まれたもの。地球が、手のひらに入ります。http://thinktheearth.net/jp/menu.html

■9/26/2001
 「ホットワイアード・ジャパン」が、9月22日で4周年を迎えた。ネットビジネスをめぐって厳しい環境が続く中、こうして4周年を迎えられたのは、ひとえに読者の皆様のサポートのおかげです。本当にありがとうございます。そして、これからもご愛読いただければと思います。
 創刊当初に掲げたテーマは、「Alternative Values for 21st century」。既存の価値観が、根本から見直しを迫られている時代に、今後、主流となるであろう‘もう一つの価値観’を探ろう、という狙いからだった。このテーマは、具体的には、市民社会、デジタル・ネットワーク、エコロジー、ボランティア、マルチ・カルチャー・・などのキーワードに分けたが、2年前から、コンセプトをより明確にするために「 Net + Eco / Love -- the standard for us」としている。
 なかでも、環境問題は、これからの私たちの生活を考えたときに、最重要とすべき課題の一つだと考えていた。環境の悪化は、私たちの生活の安全を大きく揺るがしているし、また、食糧や水、エネルギー危機が、国家間の戦争を引き起こさないとも限らない、と考えていたからだ。そうした状況下で、デジタル・テクノロジーはどのような貢献ができるのかということが、大きなテーマとしてあった。

 しかし、今起きつつある事態を前にして、戸惑っている。テロへの報復、安易な「戦争」宣言とそれに追随する日本の政治家によって、私たちの生活の安全は、さらなる危険に晒されようとしている。私たちの「日常」は、‘はかない薄皮一枚’で覆われているだけなのだ。
 現在、既存のマスメディアが、有効に機能しているようには見えない。知り得た範囲では、作家の池澤夏樹氏、宮内勝典氏、星川淳氏が、盛んにメールやウェブを通して声を上げていて、ネットの可能性を見る・・。
 こういう時こそ、冷静に多くの意見に耳を傾けたい。そして、基本に戻る。「私たち日本人は、政府によっておこされる戦争の恐怖をもう二度と、私たちのところにやってこさせないことを決意しました」──日本国憲法前文より(英語版から読みやすい現代語に新訳したもの)

■9/18/2001
 圧倒的な暴力を目にし、また、時代が良からぬ方向へ転換する兆候を感じて、何か言葉が出ない。個人的には、家人が数年前まで、あのビルの80階あたりで働いていたことも、衝撃を強めた・・。
 そして、アメリカの報道機関から流れる情報が、犯人を決めつけた上で、着々と「報復」への道筋を作っているように見えることが気になる。
 16日の朝日新聞、「私の視点」欄での、佐渡龍己氏(元陸自調査学校教官)の意見が参考になった。要約すると
 「テロリストが狙っているのは、あなたの心である。同時多発テロが、世界中に報道され、人々がどのような感情を抱くかを計算している。今回、彼らが狙っているのは、米国民の世論の圧力によって、ブッシュ大統領に過剰報復させることだ。米国が過剰報復することによって、事件に関係ない国家、人々が犠牲になることで、逆に、先進国以外の国々からの国際世論が米国を非難するといった状態を形成することを狙っている。最終的には、その国際世論によって米国の政策を変更させることが狙いだ」「被害者の怒りを逆手に利用するテロリズムに対して、怒りはテロリズムを助長する源だ。復讐によって問題は解決しない。日本国民が一人ひとりが冷静に判断し、日本独自の世界平和達成に貢献する地道な道を進む必要がある」
 こんなときだからこそ、できるだけいろいろな情報を入手し、各々ができるだけ冷静に判断することが重要だろう。多面的な視点を持ちうるために、ネット・メディアが貢献しなくてはと思う。
 事件直後のアメリカのニュース番組の中での、黒人女性詩人マヤ・アンジェロウの言葉が印象的だ。「この状況で怒りを感じるのは仕方がない。しかし、復讐は何も生み出さない。復讐しても相手と同じ次元かそれ以下に落ちてしまう」

■9/11/2001
 引っ越しで、ネット環境も新たになった。事情があって、某ケーブルと某ADSLを引く。結局、両方とも500Kぐらいしかでない。なんだかな〜。自分とこだけ、何かの都合で‘いまいち’と思うと、心持ちがよろしくないが・・昨今は、同様の不満を抱える方も多いんでしょうね。
 話変わって・・以前から、その兆候には気づいていたのだけれど、最近、これは真面目にヤバイと思うことがある。手書きで漢字がまったく書けないのだ。読めるけど、書けない。ちょっと前は、笑い話にしてたのだけれど、近頃、笑えない。ふとペンを持って何か文字を書かなくてはいけないときなどに、愕然とすることしばし。僕の頭の中のFEPは、消えつつあるのか? パソコンとの生活で、僕たちの身体も、知らず知らずのうちに、徐々に大きく変化している・・。「漢字ドリル」復活か〜。泣。

■9/4/2001
 週末は、自宅の引っ越し。これまで幹線道路近くで、自動車の排気ガスが気になっていた。荷物を整理して、溢れる段ボールにげんなり。ブックオフに本を3000冊ぐらい買い取ってもらう。思い入れはあっても、また文庫などで手に入りそうなものは、思い切って処分して・・仕事に使う絶版本や古いマンガ、雑誌を中心に残す・・。それでも、引っ越し業者さんも愕然の箱の数で、自分でも嫌になる。こういう時は、ホント身軽でいたいと思う。「捨てる技術」とかの話ではなく、何かただ身軽でいたくなる。
 しかし、古いパソコンやらフロッピーは、本当に手に負えない。ソフトの互換性がなくなっていたり、内蔵電池があがってたりで、得体の知れない情報の山となって粗大ゴミへ・・。そろそろデータは、手元に持たず、一括して保存管理サービスを使うということになるのでしょうね。それはそれで、いろいろ心配になって、バックアップも取ったりして。で、データも、あっちゃこっちゃ。結局、紙なのか〜!? んなわけないよね。本の重さで、腰痛めたし、明るいデジタルライフ到来を心底期待!

■8/28/2001
 いつの日か一度でいいから経験してみたい、というささやかな夢が、いくつかある。草原の上に寝転がり、心地よい音楽を聴きながら、昼寝したい、というのもそのひとつ。ハワイでスラックキーギターの生演奏だったりしたら、文句ナシ。
 先日、素敵なボサノバのライブへ出かけた。会場の天上を眺めていると星が見える気がしてきた・・。星空の下で、横になりながら聞けたらな〜・・などとないものねだり。星空の下で音楽を聴いた体験といえば、数年前、バリ島で、竹のガムラン、ジェゴグを、ゴザに座って聴いた心地よさが忘れられない。昼間は、農民の村人が、夜になるとアーティストになる。40人の楽団の演奏を、4人の観客で独占してしまった幸運。村に散らばる練習場から、ガムランを練習する音が微かに聞こえる・・。そんな至福の時間を思い出していた。
 ライブが終わると、連れが、「もう一緒に出かけたくない」と怒っている。自覚がなかったのだが、リラックスしすぎて、途中でウトウトしていたらしい。へへ。演奏者や連れには申し訳なかったけれど、個人的には、美しい音楽を満喫しました。

  ■8/21/2001
 先日の「日本では、食糧自給すべきか」という問いかけに、沢山のメールをいただきました。ありがとうございました。で、結局、まだ悩んでます・・(^^;)。
 悩ましい問題ってのは、なかなか多いもので・・。一番やっかいなのは、自分とは反対の意見を持つ人が、どうしてそういう考えを持つに至ったか、その発想の根拠や背景がまったく推測できないとき。こういう時は、お互い歩み寄るための道筋を探るだけでも大変だ。
 なんだか近頃、‘グローバル化’とか‘靖国’とか‘環境’とか、「悩ましい問題」が多い。冷戦構造のような大きな柱がなくなって、寄って立つ思想的な背景が、クリアに見えないから、ってこともあるんでしょう。
 それぞれの立場で、マスコミや教育などを批判していても、何も解決しないし、こういう時こそ、姿勢をオープンにして、できるだけさまざま情報を取り込んで、自分でしっかりと考える必要があるように感じる。
 そういえば、最近、NHK衛星の各国ニュースを見るのが楽しみ。韓国、中国、アメリカ、イギリスで、一つの出来事をどう伝えているのか、それぞれの特徴が出るし、各地の日常の様子がかいま見えるのも楽しい。
 「この国には何でもある。だが、希望だけがない」という村上龍氏の小説の一節には、大きく頷くけれど、‘何でもある’メリットを活かして、何でも見る、知る、受け止めるというオープンでフラットな姿勢が重要なんだろうな、と思う・・。

■8/7/2001
 以前から、関心はあるのだが、恥ずかしながら自分で結論を出せない問題がある。「日本でコメや穀物は自給したほうがいいのか」。これからの気候変動など‘いざ’という時のことを考えると、自給率は高いほうがいい、と心情的にとっさに思う。他の先進国と比べても、穀物自給率がこれほど低い国はない、というし。
 大前研一+田原総一朗の『勝ち組の構想力』を読む。相変わらず、おおざっぱすぎるんじゃないの、と思える議論も多いが、大前氏はこれからの日本の農業はオーストラリアなどでの農場経営に移るべきだとしている。いくつか引用すると
 「‘いざ’というのはどんなときなのか。これをもう少し冷静に考えてみたほうがいいと思う。そう考えると、穀物のように備蓄すればいいものもあるし、供給者を複数にすれば間に合うものもあるし、自分が農場の所有者になっていれば間に合うものもある、とか、そういう考え方ができる。また、‘いざ’というときが来ないように、農業以外にも外交などの面で投資しておくことが必要であるとか」
 「最も良くて安い食糧を調達してくる責任を政府は、一義的に持つべきです。それをどこから調達してくるかは時代によって変わると思いますし、資金力によっても変わってくると思います。食糧危機に対する手当という責任は、政府として免れられない。しかし、その責任を国内の土地を使って果たす必要があるのかということは、状況によってまったく違うと思います」
 「まずいちばん重要な問題は、国民の胃袋をどうやって守るかという長期的食糧調達、食糧安保の問題です。これはこれで解決策を考え、環境問題は環境問題で解決策を考えるべきです」
 「自給率を維持するためにいくら金をかけるのかという議論をしないといけない。誰の負担でいくらかけるのか。この議論が必要です」
 こう言われて、ふとタイで増えた日本向けエビ養殖で引き起こされた環境問題を思い出したが、しっかりと反論しきれない私。‘稲作は古来からの日本文化’とか言い出さずに、反対する論点はあるんでしょうか? ご意見のある方、ご指導ください。

■7/31/2001
 「政治」の宴のあとのちょっとした倦怠感・・。
 投票のあとに、とあるコンサートへ。大きなホールだったけれど、大人も楽しめる素敵なものだった。そういえば、東京ではなかなかいい状態で音楽を聴くことが難しいな・・、と思っていたところに、こんな文章に出会った。
「サンパウロのトム・ブラジルというホールは、客席は、すべてテーブル席である。内部空間そのものは、モダンなバーそのもので、この親密な空気はすばらしい。一つのテーブルを囲みながら、カイピリーニャなどを飲み、開演を待つのだ。チケットは、一枚では買えず、必ず二枚単位。すでにこのあたりからして、ひとり前を向いて座席に座るしかない日本の音楽文化がたんある自己満足的な「鑑賞」「批評」文化にのみ立脚していることが露呈する。ブラジルでは、音楽はまずなにより、親密な人間関係を彩るための娯楽であり、快楽としてそこにある」
「商品として流通することから逃れられないポピュラー音楽が、ひたすらマニアックな知的消費の対象として資本主義の廃墟へと連れ去られる前に、人間の日々の感情生活を基底においた愛と快楽の世界の奪還のために、音楽を自らの身体の傍らにそっとおいてみること。いまこの単純にして稀有な身ぶりだけが音楽を救うだろう」(今福龍太『フットボールの新世紀』)。
 真の‘豊かな生活’のために、政治以外にも、‘成熟’しなくちゃいけない分野はまだまだ多そうだ。

■7/24/2001
 トロけそうなこの季節は、自転車と宇宙モノ。ツール・ド・フランスのTV中継が毎年楽しみ。山岳コースの景色が最高だ。自転車というシンプルながらもハイテクの結晶と人間の身体ひとつ、というマッチングが見ていて心地良い。とてもハードなスポーツなのだけれど、おおらかさも兼ね備えているのがいい。
 そして・・宇宙モノ。先日やってた『ライト・スタッフ』は大好きな映画。NHK衛星でときどき深夜に流している宇宙船から撮影された地球のハイビジョン映像は、ぐっとくる×2。さらに、この2週間ほど、ストリーミングのNASA TVに釘付け。ちょうど打ち上げられているシャトルから、宇宙ステーション建設の模様や、船外活動、スペースセンターとの交信などが、リアルタイムで流されていた。どんなネット配信コンテンツも、結局、これにはかなわない。
http://science.ksc.nasa.gov/shuttle/countdown/video/video.html

■7/17/2001
 アメリカでサッカーといえば、女子サッカーだ(以前、アメリカで手にしたサッカー解説書のイラスト図版が、すべて女性だったのには驚いた)。それに、カーレースの最高峰といえば、F1じゃなくて、CART。
 ヨーロッパで人気や歴史のある競技には、アメリカは、少しづつレギュレーションを変えては、新しい競技を作って、最初から有利な条件で一番になろうとする・・そういう傾向ってないですかね? 野球だって、クリケットの亜流だし、アメフトやバスケットも、凄いと言っても、盛り上がってるのは、アメリカだけだ。だいたい、こういう発想ってどこから来るのか・・。以前からの疑問なんですが。
 で、また、かってにルール変更。包括的核実験禁止条約や、弾道弾迎撃ミサイル制限条約、それに、京都議定書!!
 やるな〜。スポーツと政治は、もちろん同じレベルじゃ語れないわけですが・・国益ってなんだろう、と考える。

■7/10/2001
 今年は、山に行ってないなぁ〜。ときどき、無性に沢登りに出かけたくなる。数年前は、この季節、毎週のように丹沢あたりに出かけていた。30歳を過ぎて目覚めた山登りだし、そうディープな経験をしたわけではないのだけれど、それ以来、大袈裟に言えば何か人生観、変わった気がする。
 最初は、「東京近郊にもアマゾンがあった」などと、ただただ、深い自然に感激していただけだったが、次には、この感激をまた味わいたいから、この自然を大切にしたいと思い始める・・。僕のエコロジー的関心の出発点のひとつは、こうした極めてセルフィッシュな思いだ。
 先日、出会った若いグラフィック・デザイナー氏も、毎冬、数週間山に籠もって、スノーボードしているという。都会で得られる刺激も楽しいけれど、自然の中で体験できる深い充足感こそ、何にも代え難い・・。かって都会派で、今は、気張らず、そんなことを考えている人が増えているようで、共感。

■7/3/2001
 この5月に、エベレスト登頂を果たし、世界7大陸最高峰登頂の最年少記録を更新した石川直樹氏に取材。昨年は、北磁極から南極点まで、徒歩、カヌー、自転車で走破するPole to Pole 2000(P2P)に参加し、今年の元旦は、極点で迎えている。こう列記するといかにもアグレッシブで強靱な冒険家をイメージするが、ご本人は、一見フツーの学生さんだ。「ぼくは冒険家ではない。危険を冒すために旅をしているわけでもなければ、好んで僻地に行きたいとも思わない」と語る石川氏の冒険観など、面白い話をたくさん聞いたが、それは、また改めて記事にします。
 これらの活動中に、ネットで送られ続けた日記は、彼のウェブサイトで報告されていてhttp://straightree.com/、P2Pについては、先日『この地球を受け継ぐ者へ』(講談社)としてまとめられた。エベレスト登山途中のキャンプから衛星電話を使って、本の校正原稿を送ったりする人も初めてに違いない。もう、エベレストもテレワーク圏内に入ったようだ(^^;)。それでも、前のめりに、冒険やエコやモバイルを語ったりしない石川君は、かなりカッコイイぞ。

■6/26/2001
 先週、星川淳さんが、小誌コラムで、「なんでいつまでもプリウスのワゴンをつくらないの?」と問いかけたところ、実は、同様のプランが進行中であることがわかった。Macエヴァンジェリストの大谷和利さんからいただいたメールで知ったのだが、インパクのトヨタパビリオンで開催されていたカスタマイズカー・コンテストで、大谷さんが応募したワゴン版プリウス改である「プリウス・エコクルーザー」が、人気投票、審査員選考共々1位を獲得し、今年のオートショーに向けて実車制作が行われることになったとのことだ。http://toyota-pavilion.com/projectg/praiz.asp ちょうど21日に、トヨタから、プレスリリースが発表された。http://www.toyota.co.jp/News/2001/Jun/nt01_114.html
 いいですね〜、こういう意識のシンクロ。いまのところ、あくまでオートショー向けの実車制作までの計画のようだけれども、ぜひ、市販してほしい! そうなったら微力ながらホットワイアードも、積極的に応援します。

■6/19/2001
 友人の結婚式へ。ホットワイアードのオフィスを解体し、テレワーク化して、一年余りだが、近頃、めっきり出不精に。しかし、こうした機会で、友人・知人に会うのは嬉しい。その多くは、「マルチメディア」という単語がもてはやされた、93年ぐらいからのつきあいだろうか。当時から、デジタルとエコロジーに関心のある同世代が、なんとなく集まって、ヨタ話をしていたのだ。皆が、それぞれの場で、それぞれできることを精一杯やれれば、と改めて思う。
 「アースデイ・フォーラム」へ。90分の対談が4本。毛利衛 (宇宙飛行士)×野口健(登山家)、森野栄一(経済評論家)×西部忠(北海道大学大学院助教授)、古川享(マイクロソフト)×上岡裕(NPOエコロジーオンライン代表)、坂本龍一×村上龍。坂本龍一氏が長時間にわたりすべて司会を務めていて、ビックリ。頭が下がる。アースデイという考え方が、より日常のものとなることを再び願う。IT業界に関わっているものとしては、このテーマに関するMS古川氏の言葉の軽さが、悲しい・・。

  ■6/12/2001
 ご多分に洩れず、にわかサッカー評論家と化していて(^^;)、関連サイトのチェックが日課に。これまで、ほとんどスポーツ新聞を買ったことなかったのだけれど、いくつかのスポーツ新聞サイトを読むようになった。で、あまりにひどさにゲンナリ。芸能ニュースと同じレベルで、スター選手のおっかけ記事ばかり。中田やイチローが、マスコミ不信になったのも、日常的に接していたのが彼らだったのなら理解できる気がする。
 今のところ、ISIZEや、Sports Naviを中心に見てるんですが、面白いサイトあったら教えてください〜。いまどきサッカー評論家の需要も多いはずなのに、何人かが、そこら中で同じ様なことを書いていて、何か深みに欠ける。あまりの中田贔屓がときに気になるけれど、村上龍氏のメールマガジン連載が、かなり面白いと思うのは、僕の好みっすか? で、今更ながらアーセン・ベンゲルの『勝者のエスプリ』を読む。彼だったら、監督インタビューでの発言も、さぞや面白かっただろうな、と想像。
 土曜日は、チベットのお坊さんの声明を聞きに曹洞宗本山の一つ、横浜の総持寺へ。東京近郊にあんなに立派なお寺があるとは。静謐な雰囲気の中、迫力の声明。感激。広島で行われた「世界聖なる音楽祭」へ招かれたための来日。音楽祭は、いろいろと大変だったようですが・・ボランティアの方は、お疲れさまでした〜。

   ■6/5/2001
 リーナス・トーバルズの新刊に続いて、ペッカ・ヒマネンの『リナックスの革命──ハッカー倫理とネット社会の精神』を読む。リナックスをめぐっては、Windowsを凌駕する可能性のあるOSとして、新しい生産プロセスとして、またコミュニティとビジネスとの関わりなどから、多くの注目を集めているわけだが、ここでは、価値観、に着目している。その価値観を「ハッカー倫理」といい、情熱を持ってやれることが大事で、労働/余暇という分け方をしない。そして、金銭的な報酬のために働くわけではなく、社会的な価値を作り出し、尊敬を受けることを報酬として求めている。これらの労働/余暇観、金銭/報酬観は、従来の資本主義を支えてきた企業的な価値観とは、まったく違い、それが今、一般化しつつある、としている。
 97年の本誌創刊号の特集でリーナスやリチャード・ストールマンのインタビューを掲載して以来、さまざまな形で、リナックスやオープンソースを取り上げてきたわけだが、もっとも重要なのは、ここでまとめられている価値観の問題だ、と改めて認識。この価値観=ライフスタイルこそ、コンピュータやネット技術の枠を越えて、これからの社会の行方に影響を与えるに違いない。雇用不安が蔓延するいっぽうで、生き甲斐を求めて増加するフリーター、これまでの企業的な枠組みからは飛び出したけれども、労働観、金銭観ということでは、まったく変わることのなかった一部のネット・ベンチャー起業家・・。こんな今の日本だからこそ、注目されるべきだろう。
 本誌で、エコロジーにまつわるボランタリーな運動やNPO、NGOの活動を積極的に紹介している接点も、ひとつはここにある。創刊時のキャッチフレーズ「オルタナティブ・バリュー」を再び・・。

■5/29/2001
 先日、リーナス・トーバルズの新刊を読んで、彼のファンになったから、というわけではないのだけれど、OSをLinuxに代えようかと思っている。実は、6年ほど前に、一度試みたことがある。そのときは、GUIやらアプリケーションの互換性やらの問題で、仕事では使いづらくて、結局あきらめたのだ。
 しかし、文系ビジネス使用の僕などにも、そろそろ機が熟しつつあるのではないかと思う。今、またそんなことを考え出したきっかけのひとつは、今年に入って騒がしい、M社やA社の新OSの動向だ。OSと他アプリとの統合がさらに進みそうな気配だし、個人情報を集められるのも気持ちが悪い。それに、このまま、新しいバージョンが出る度に、関連ソフトを買い換えさせられるのもしゃくだ。日常の中で、ネットの存在が重要になればなるほど、その基幹部分を一企業に依存するのが、怖い。みなさんは、例の新OS、導入予定ですか?
 知人の結婚式がアトランタであって、とんぼ返り。南部の人の温かさと、快適な気候に、心が洗われた。

■5/22/2001
 リーナス・トーバルズの新刊『それがぼくには楽しかったから』を読む。Linuxは、なぜこれほど成功したのか。オープンソースの開発モデルに関しては、いろんな人がいろんなことを言ってるわけだが、結局、その鍵は、リーナス本人の性格が大きな部分を占めている気がしてならない。気取らず、飾らず、野心家でも、また聖人でもない彼の人柄を、この本では、よく感じることができる。あらためて、彼のファンになった。
 これまで、ボランタリーに始められたさまざまなプロジェクトに直接的、間接的に関わる機会があったが、こうしたプロジェクトをスムーズに運営するというのは、なかなか難しいものだ。活動の目標や目的が、たとえ「美しい」もので、理にかなったものであっても、主催者の強い名誉欲などが感じられたり、目的が「美しい」が故に、強引に引っ張られたりして、なんだかシラけることもしばしば。エコロジーをとなえる主催者にこうしたことを感じることが多かったのも残念だ。もちろん、エコロジー意識が、もっと社会に深く浸透して欲しいと望んでいるし、志のあるプロジェクトが、いい成果をあげられるようにと願っている。
 だからこそ、Linux成功の理由は何なのか、と再び考える。リーナスは言う。「多少なりとも生存が保証された社会では、お金は最大の原動力にはならない。人は情熱に駆り立てられたとき、最高の仕事をするものだ。楽しんでいるときも同じだ」。
 彼のように「楽しむこと」を原動力に、変革を成し遂げたいもの・・。

■5/15/2001
 近所にある竹林のタケノコの成長が凄い。1日、30センチは、延びてるんじゃないかな。夜には、先のほうに樹液を滴らせて月に向かってみるみる延びていく・・。
 さて、いろいろと話題を提供してくれるブッシュ政権が、今度は、原子力発電所建設を推進している。http://www.hotwired.co.jp/ecowire/ ほんとやってくれる。これだけ政策が違うと選挙で選択しやすいんだろうけど、次までは、まだ先が長いよね・・。
 あと、朝日新聞の「竹中流はリナックス方式 経済財政諮問会議」という記事。幅広く外部の意見を取り入れる姿勢は評価されるべきだろうが、‘リナックス方式’という表現に、ちとビックリ。近頃、生産プロセスとしてのオープンソースの概念を、お手軽にカット&ペーストして転用する例をよく目にする。どうなんでしょうね。気をつけないと>オレ。
 今週読んだ本。森永卓郎『リストラと能力主義』、北村龍行『「借金棒引き」の経済学』。‘自由と自己責任’が共通のキーワードだ。

  ■5/8/2001
 風が気持ちいい。こういう日は、木陰で仕事したいですね〜。
 GWは、ネット端末からしばらく離れて、映画と読書とサッカー観戦。『2001年 宇宙の旅』へ再び。今回は、フィルムも公開当初の状態が再現?されていて、映像がクリア。細かいディテールを舐めるように堪能。ソダーバーグの『トラフィック』も楽しむ。  以前、星川淳さんに勧められていたワイツゼッカー他著『ファクター4』を読み始める。環境問題を解決するために、これまで言われてきた「省エネ」や「節約」という表現ではなく、ここでは「資源生産性」と「資源効率」という概念を使う。我慢することによってではなく、新しい資源利用と技術改善で、少ない資源から同じ効用を引き出そうという考え方。何か、明るい兆しを見た思いだ。
 テレビ番組2つ。TBS「地雷ZERO」。世界各地のミュージシャン、関係者をまとめ引っ張る坂本龍一氏の労力を考えると、ほんと頭が下がる。それに、音楽体験という意味からも、さまざまな民族音楽やエッジな音の断片を、ポップミュージックと同列に広くたくさんの人が耳にするというのも、意味のあることだろう。現代音楽、現代美術とポップミュージックや民族音楽を、同列で茶の間で観られる国も、日本だけかも。坂本氏の作業に敬意を表するとともに、氏が繋げ引っ張り上げてくれた前線を、皆が、各々の持ち場で広げていかないと、と思う。
 日テレ「ぼくらの希望を探す旅」。村上龍氏の『希望の国のエクソダス』を基に、ドラマや討論で番組をスタートしながら、途中でオリジナル脚本ドラマを挟み込んだ。東北地方を敵国に上陸侵略され、中学生が兵士として戦場に赴き、そこに生き甲斐を見いだす、というストーリー。めまい・・。

■4/24/2001
 週末は「アースデイ」へ。さまざまなイベントが盛況でなにより。このまま定着して、より身近な恒例行事になることを願う。僕は、防寒対策を間違えて、凍える&風邪。
 ローレンス・レッシグ著『CODE』を読んでいる。ナップスターやグヌーテラの登場以来、デジタル・ネットワーク上のコンテンツの著作権は無意味なものとなる、という言説が目立っているが、この本では、まっこうから、こうした考えに異を唱えている。「インターネットは、放っておけば商業と政府の一致した思惑として、どんどん規制しやすいものになり、新しい認証の仕組みなどが導入されることによって、規制は強化される。それを止めるには、どうすればいいか。自由を守るためにこそ、人は適切は政府の規制を要求しなくてはならなくなる」
 OSと一緒にパスポートのアカウントを1つずつ配布する予定だったり、MP3でダウンロードされた曲の品質にダメージが加わるようになっているというWindows XPのプランを聞くと、これはそう遠い話ではないかも、と思えてくる。ネットがただの商売や管理の道具になるという事態に不快な気持ちを抱く人、は必読。
 これもひとつの「ネット社会論」だろうが、圧倒的に海外の本のほうが、深く先を見通している。開き直って、ガンガン輸入翻訳したほうがいいかも。出版社の方も、ネットビジネス叩いてるだけじゃなくて、この手の翻訳出版もお願いします〜。

■4/17/2001
 風が心地よい季節。新緑の成長に日々感激。
 で、「アースデイ」の季節。ついに、日本でも、アースデイがブレイクの兆しで、今週末は、各地で様々なイベントが企画されている。詳しくは、こちらhttp://www.earthday-tokyo.org/。みなさん、代々木公園や新宿パークタワーでお会いしましょう。事務局長の安在さんのインタビューは、来週アップ予定です。
 もうひとつ、以前から応援している「世界聖なる音楽祭」のチケットが発売開始。ダライ・ラマが提唱し、世界各地で開かれているこのイベントの主旨に賛同し、日本で開催しようと活動している近藤等則氏にインタビューして以来、その成り行きが気がかりで(^^;)。インタビューはこちらhttp://www.hotwired.co.jp/music/interview/010116/。6月1日〜3日まで、広島の厳島神社で開催。参加ミュージシャンも、予想外?(失礼!)に豪華になって、楽しみ。6月は、原爆記念館と音楽祭で、お会いしましょう。チケット購入方法は、こちら

■4/10/2001
 近くの公園でお花見。年がいもなく感傷的な気分になる・・へへ。
 さて・・電話の請求書をみて、ビックリ。2月末にQuickTime 5のプレビュー版期限切れで、マシンがクラッシュ&システム再インストールした際に、アクセス先をフレッツにしなかったのよね〜。泣。バカやろう!>オレ
 さて・・公文俊平著『文明の進化と情報化』を読む。インターネットに関する評論では、ここんとこビジネス関係ばかりが目立っただけに、ネットと社会の今後の姿を論じたもので、楽しむ。
 で、その中で、紹介されていた情報社会の問題点に関するアンドリュー・シャピロの考えが面白い。
・インターネットが本質的に民主的なものだ」という考え方は、設計上はそうかもしれないが、危険だ。政府や企業が技術デザインを変えることも可能だ。
・インターネット上では、今は自分のアイデンティティを隠せるとしても、いつまでもというわけではない。
・「情報はフリーであることを望む」という主張は、反面の真実でしかない。コピーライトを保護するための技術は、既存の法律よりもずっと有利な、それこそ警察や裁判所も不要にするような保護措置を開発しようとしている。
・「インターネットは、異文化間の理解や共感を高める」とは必ずしもいえない。
・いまこそ、プライバシーの基準線を確立して消費者がオンラインでも安全でいられるように、古き良き法と規制が必要なことを認めるべきである。
・バーチャル・コミュニティを補完するリアルなコミュニティが重要である。
 むむ〜「古き良き法と規制」ね〜。ターニングポイントという感じですか・・。

■4/3/2001
 新入生、新入社員のみなさん、お元気ですか〜。
さて・・夏には、Tシャツで過ごしたい質なので、面白いデザインのものなどがあると買い集めているんだけど、昨年、テレビを観ていて、ちょっと食指を動かされたものがあった。昨年の4月、ワシントンで行われた「アースデイ2000」の中継で、スピーチしていた人物が着ていた‘京都’と漢字を染めたTシャツ。とっさに、アメリカの漢字ブーム、それに、エコロジスト→ヒッピー→東洋嗜好→京都観光、で「京都」なのね、と想像。しかし、スピーチの内容を聞いて、これが、97年の地球温暖化京都会議(COP3)への支持を示していることを知って、反省。「京都」が、こうして、地球環境保護というイメージが付加されて、世界に広がるのは、なかなかいいんでないの〜、と歪んだミーハー気分で、途端にあのTシャツが欲しくなったのだ。
 で、今日の問題は、その京都議定書。ブッシュ政権が一方的に離脱を表明。やってくれるよ。WIRED NEWSでも、これまでたびたび、政権交代後の環境政策の転換をレポートしているけれども、ここまでとは。「私は米国民を守るのだ」と言ってるらしい・・。怒るのも空しい・・。
 ブッシュ大統領への抗議メールは、こちらのサイトなどからもhttp://www.foeeurope.org/climate/送れる。しかし、何か、もっと効果的なことはないのか。一部の人々への経済的利益を考えているのだろうけれど、その決定も、中期、長期的には、経済的に不効率だって説得できないんすかね。中期的っていっても、短期になる可能性もあるわけだし〜。

■3/27/2001
 あ〜、フランス戦のショックが・・。いまさら、フィジカルの差が敗因、とか言われてもな〜。まぁ、協会や監督が、これからどんな手を打つのか、見物ではありますが。
 ちょっと、ずれるけど、最近の出版物でも、何か、欧米との体力差にも似たものを感じることがある。商売柄、目を通す機会が多いネットビジネス系の解説本では、翻訳ものと、日本のものとで、分析や例証などの深さや量の差が歴然。日本の本で多いのは、図版を多めに入れて、会議用プレゼン資料をそのまま綴じてあるようなペラペラなもの。ネットビジネスそのものが、スピードを重んじるあまり、浅薄に陥りがちなのに、その解説まで、輪をかけて薄くしてどうする(^^;)。なんでも手っ取り早く理解したい、という読者の欲求が強まっている、とも言えるのだろうけれど。今、必要とされているのは、時代の流れをどれだけ深く長い目で見通すか、ということのはずだ。
 今のところ、日本語や日本の地域状況に守られているこうした出版物や、その背後にいる編集者や著者も、これからさらに国際的な競争にさらされる可能性がある。
 これは、読者も同様なのかも。経済のグローバル化がますます進んで、様々な分野で、サッカーのように欧米とガチンコしなくてはならない状況になるかも。そのとき、知的なフィジカル能力差が敗因、と言われないようにしないと。まずは、自分に言い聞かせてます、ハイ。

■3/21/2001
 いい季節になりました。で、お散歩。近所の静嘉堂文庫美術館へぶらぶら。三菱の2代目社長・岩崎彌之助が、明治時代に集めた東洋・日本美術が展示されている。美術館そのものは、小高い丘の上にある。鬱蒼とした緑に覆われたそのあたり一体が、美術館の所有で、かって日本庭園として整備されていた名残もそこかしこに感じられる。しかし、旧財閥の力ってのは、スゴイ。最近の成功者がちんけに見える(^^;)。ゴージャスな敷地は、隣接する住宅地の開発を免れ、貴重な木々の緑を残してくれた。アリガト。
 「河井寛次郎と近代の工芸」展を見る。たまたま隣で見ていたオジサンが、鼻水をズルズルとうるさい、うるさい。そういえば、今年は、マスクをかけている人が、例年より多い気がする。いろんなアレルギー疾患のお世話になってる僕だけれど、幸い、いまのところ花粉症の兆候は、ない。不幸中の幸い、と思うべきか・・。
 以前は、まったく聞かなかった花粉症が、今や当たり前。原因や解決法は科学的に究明されなくてはならないけれど、ついつい、何かの「警告」だとも、考えてしまう。ほんと、人って、身をもって知る、ことからしか、考えられないところがあるからね。
 十年後、花粉症、ってどうなってるだろう。 日本に住む者のほとんどがかかる、当たり前の季節感のようなものになってしまうのか、俳句の季語になるのか、はたまた、日本の風土病として注目されるのか、もう、根絶されているのか・・さて?

  ■3/13/2001
 仕事での何か‘流れ’のようなものが悪いときには、気分転換が必要だ。以前は、沢登りに行ったりしたが、最近は、もう少しお手軽にサッカー観戦か映画。
 今回は、「宇宙の旅展」を見に水戸芸術館まで出かける。お目当ては、マイケル・ライトの写真『FULL MOON』。月面着陸した宇宙飛行士が撮影したNASA所蔵の写真を、デジタル加工して再処理したものだ。すでに写真集にもなっているし、昨年、ニューヨークの自然史博物館でも見たのだけれど、もう一度、実物を間近で見たくなった。大気のない月面では、あらゆるものがクリアーで、漆黒の宇宙と、シルバーに輝く月探査船や宇宙服の金具が浮かび上がる。自分でも、どうしてなのか説明できないのだが、吸い込まれるように写真の前で動けなくなる。気持ちも穏やかになる・・。あ〜、欲しい。ポスターでいいから、欲しい。しかし、美術館の売店には、それらしきものはない。無念。
 納豆せんべい食べながら、偕楽園の梅まつりを横目に、帰って参りました〜。

■3/06/2001
 最近、また女性誌が、たくさん創刊しててスゴイですね〜。最寄りの書店も、入り口近くが、女性誌の平台コーナーになっているのだけれど、うずたかく積まれた雑誌の山が、幾重にも重なって山脈状態。奥に積まれて、ひときわ高い山をなす創刊雑誌などは、秘境チョモランマ並みに、到達できる人もわずか(^^;)。こうして、返本され、裁断処理される本や雑誌が、ますます増えていることは想像に難くない。出版不況が長引く中、新雑誌を創刊することで、目先を変えて、広告収入を期待する、ということなのだろうが、そうした現在の出版の構造そのものに危うさを感じる。
 「そんなことは、わかっている」「じゃ、どうすればいい?」と出版関係者の声が聞こえてきそうだ。かといって、こちら、ウェブ雑誌の運営も青息吐息。デジタルコンテンツから、お金を得る明確な道筋が見えていない現段階では、エラソーなことが言えるわけもない。
 しかし、大量に市場に撒いて、広告をあてにする、というスタイルは、限界が見えていることは確かだ。必要とされている情報を必要としている人に的確に送り届ける、という流通経路を基本的なところから考える必要があるってことなのだろうけれど・・やっぱり、会員制とかオン・デ・マンドなのか〜。何かいいアイデアあったら、教えてください。

■2/27/2001
 北野武監督作『BROTHER』を観る。満席を覚悟していたけれど、意外と空いていた。ヒリヒリとするような‘死の匂い’。余計な説明をいっさい排除した映像のリズムと‘北野ブルー’、余計とも思えるギャグシーンがかえって主人公の悲しさを浮かび上がらせる。いやぁ、よかった。
 ジム・ジャームッシュの『ゴーストドッグ』も、僕の大好きな作品だったけれど、このところの北野作品と『ゴーストドッグ』は、ひじょうにテイストが似通っている。『ゴーストドッグ』は、「葉隠思想」に傾倒する黒人スナイパーの話だけれど、ジャームッシュが、北野作品の死生観や美意識に影響を受けたのではないか、と勝手に推測。
 そういえば、各所に散りばめられた細かなギャグシーン。ひとりで大笑いしていて、劇場で浮く・・泣。音響が、とても効果的だから、劇場で観たほうがいいっすよ。
 あと、最近のお気に入りは、AJICOの『深緑』。

■2/20/2001
 先週、突然、マシン(Mac)が、立ち上がらなくなった。OS 8.6はけっこう安定していたので、久々の重傷。修復を試みるが、結局、システム再インストール。その後、いろいろ入れ直して、半日つぶす。ちょうど、新しいPowerBookに買い換えようと、コンピュータ雑誌を物色していたあとだっただけに、オールドマシンのご機嫌を損ねたのかと、焦る(^^;)。「すまんねぇ。もう少し使うからさ〜。買い換え止めろってことなのねぇ〜」と、ちょっと不気味になって、こちらも猫なで声。笑。
 しか〜し、翌日、この原因がQuickTime 5のプレビュー版期限切れで、そこらじゅうで起きていたことを知る。さらに、Appleの対応は、役所よりもトンチ。いまさらA社とかM社には、大したことを期待してるわけではないけれど・・あんまり消費者バカにしていると、痛い目にあいまっせ。
 RealPIayer入れ直したついでに、CNN.comのニュースを観る。オアフ島沖で原潜にぶつけられた「えひめ丸」を、ブッシュ大統領が「fishing vessel(漁船)」と言っていたのが気になっていたからだ。漁船と実習船では、報道から受ける印象がずいぶん違う。そんなことだから、アメリカのメディアでは、小さな扱いに違いない、と思っていた。が、意外にもCNN.comのビデオは、日本のニュース番組では観たことのない映像もあり、力を入れているように感じた。これからは、報道も、世界的な競争にさらされる時代か・・。
 余計なプラグイン入れて、システムクラッシュするのは嫌だけれど、ストリーミング・コンテンツが多様化&充実することを期待。

■2/14/2001
 最近のNHKは、頑張りますねぇ。連休中にやっていた『エネルギーシフト』『水の世紀がはじまった』は、ひじょうに刺激的だった。去年放映された『地球白書』での取材に素材を追加してわかりやすくしている。局全体で、危機感と時代の要請を共有しているように思える(誉めすぎ?)。
 で、やはり衝撃だったのは、水。上流部で急激に増加した農地用水利用によって、下流部1000キロにわたって、流れが途絶える中国・黄河。その地域では、飲み水、生活用水にも不自由している。さらに、ひとつの川の利水権をめぐって、国家間の紛争がはじまっている。「これからは、石油に代わって水が大きな力を持つ」と、うそぶくトルコ政府関係者。水に関しては、あまりに豊かな島国に暮らす私たちは、この問題にあまりに無頓着だ。しかし、食糧を輸入しているということは、その地の水を利用していることと同じ。世界の水問題は、ますます注視が必要だろう。
 ──先々週この欄で、ネットでカルテを開示し、医療をサービス業として捉える、という医院を紹介したところ、たくさんの問い合わせをいただきました。朝日新聞でも紹介されたようですが、URLはこちらです。http://www.plata-net.com/

■2/6/2001
 ちょっと用事でタイのチェンマイとんぼ帰り。先日、ネパール、カトマンドゥの大気汚染が問題になっていたけれども、チェンマイもなかなか。ちょうど1年1度のお祭りにぶつかってバンコクさながらの交通渋滞(いつもなのかも・・)。ハンカチで口元を押さながら、名物のオート三輪「トゥクトゥク」で移動する。
 ホテルについて、荷物を開くと、ノートパソコンの電源アダプタを忘れたことに気づいてパニック。持ってったPowerBook2400のバッテリーの貧相なことといったら(^^;)。動いてくれる間に、なんとかと思い、速攻で仕事。しか〜し、こちらの能力もマシンの体力も底が浅くて、アウチ。あとは、仕方なくインターネット・カフェを探す。予期していた以上に、そこらじゅうにあるのでビックリ。1時間、30バーツ(約100円)。日本語使えるマシンを探して、お仕事継続。トホホ。
 ホテルのテレビは、地元局いくつかと、CNN、CNBC、MTVのアジア版とDiscoveryチャンネル。セリエAとプレミアリーグをやってる局もあって、僕的にベストに近いセレクト。香港で作られ放映されているCNBCアジアは、eビジネス情報満載。香港とシンガポール、韓国のブロードバンド事情などが詳細に報告されていたが、日本の山田村の状況も久しぶりに観る(^^;)。日本にいるよりも、アジアや世界に密接に繋がっているという感覚がある。
 ってことで、ただいま、おかげさまで腹をこわしつつ、寝ないで日本で仕事してま〜す。

■1/30/2001
 かって‘不良’を一生懸命やってたせいか(^^;)、‘権威’ってものに過剰に反抗してしまう性癖があるようで、役所、警察、学校、銀行、病院などでは、これまで、あまり‘楽しい関係’を築けずにいた。ケーサツはともかく(ここんとこ、ご縁がない・・)、役所も近頃、住民サービスという意識がしっかり見えるようになっているし、銀行も、競争の波にさらされて、それなりに変化してきている。病院は・・先日、近所の医院で衝撃的な体験をした。
 昨年、12月にオープンしたばかりのその医院は、開院時間、午前8時〜午後8時(昼休みナシ)、往診可で、必要に応じて薬も無料で配達してくれる。そして、ネットを通じて、カルテ閲覧を可能にし、メールで医師とのコミュニケーションが取れるシステムを導入する、という。これが過当競争からの営利主義に陥ってしまっては意味がないが、長時間の対話の中から、目の前で、パソコン上に日本語でカルテを作り、プリントアウトして手渡してくれる応対には、そんな印象は微塵もない。また、開院前には、医師自らが、駅前でチラシを配っていたとかで、前代未聞と、医師会からとがめられた、とも聞く。  待合室に置かれていたチラシにはこうある。「私どもは医療を‘サービス業’としてとらえており、従来の医療機関にはない試みも実施し『現代の赤ひげ先生』を目指しております」。
 素晴らしすぎる! ニッポンも徐々に変化しているのですね〜。涙。「一攫千金or失敗でザマーミロ」のいわゆるネットビジネスとは、別の形で、ネットサービスが、僕たちの生活を変えてゆく・・。拍手!
 そういえば、あと、問題の「学校」は、どうなってるんだろう・・。

  ■1/23/2001
 去年、こんなに寒かったかな〜? ・・って毎年言ってる気がする(^^;)
新刊『ネットコミュニティ戦略』(エイミー・ジョー・キム)を見つけてさっそく読み始める。昨夏、米「WIRED」誌で、ケビン・ケリーが、オススメしてたはず。ウェブ・コミュニティ構築のノウハウを普遍化し、わかりやすく解説した実務的な本だ。
 近頃、「コミュニティを有効に使ってですね〜、アライアンスしてビジネスを・・」なんてトホホな声をよく耳にするようになったが、そんな野望は持たずとも、ネット上の「場」をいかに作ったらいいのか、ということを真剣に考えている人も多いだろう。この本は、とりたてて斬新なことが書かれているわけではないけれど、そんな方には、地味だが力のある助けとなるに違いない。
 かくいう僕も、ホットワイアードでのコミュニティのあり方に、悩んでます。ネットに関わる編集者として、コミュニティを管理する能力は、ますます重要になると思いつつも、どうも苦手で・・。コミュニティを主体としたウェブ雑誌にするか、記事を中心にするのかという問題は、米Hotwired創刊当初からの争点でもあったわけですが・・。  9万人弱の読者に届いているこのメール。みなさんが、どんな方々なのかわからなくなることがしばしば・・。うーむ、徐々に何か手を打っていこうと思いますが、みなさんご協力よろしくお願いいたします。

■1/16/2001
 寒いの苦手で困ります。暑いのもダメなんですが・・(^^;)。
 さて・・「エコマネー」で有名な通産省の加藤敏春氏の『マイクロビジネス』を読む。これからのネットワーク社会の下では、ビジネスの基本単位が、組織から個人になる。これまでのハイリスク・ハイリターン型のベンチャーではなく、ミドルリスク・ミドルリターン型の起業が求められる。自分なりの生き方、働き方を追求した結果、一人ひとりが、その人なりのマイクロビジネスを起業していく。「個人」を土台とするマイクロビジネスの重要な要素は、働きがいや自己実現。投資家に強制されて、働きづめになることでも、IPOによって株式利益を得て、売り抜けることでもない・・とのこと。
  先週のこの欄で、「暗く厳しい話題の多い今だからこそ、明るい未来のイメージを持ちたい」と書いたけれど、これもけっして暗くない一つのヴィジョンだと思う。企業での終身雇用が実行不能になりつつある今、どのような心構えを持つことが必要で、それをポジティブに捉えていくにはどうしたらいいのか。
 「セーフティーネット」とか「個人の時代」という抽象的な言葉を、一歩現実のものに引きつける提言として、参考になりました。

■1/10/2001
 あけましておめでとうございます。
 2001年といえば、はずせないのは、アーサー・C・クラーク&S・キューブリックの『2001年 宇宙の旅』。内と外の宇宙、コンピュータ(道具)と人間、人類の創世と進化、という究極のテーマが、ちりばめられた最高傑作は、今日まで僕のベスト1ムービーであり続けている。(今春、劇場再映されるらしいので、必見)
 この映画が最初に公開された1968年、アラン・ケイが、パソコンを構想し、テッド・ネルソンが、ハイパーテキストの構想を発表。翌69年には、映画に呼応するようにアポロ11号が、月面着陸を果たしている。クラークが30年前に描いたSF世界と現在の現実を比較することは、あまり意味はないのだろうけれども、彼によって描かれ現実となった事柄は多い。では今、僕たちは、未来に対してどんなイメージを持つことができるのだろう・・。
 暗く厳しい話題の多い今だからこそ、明るい未来のイメージを持ちたい。未来の現実は、僕たちのイメージやヴィジョンから作り上げられる、はずだから。
 区切りの年の始まりだから、あえててらいもなく、原点回帰してみました。
 みなさん、今年もよろしくお願いいたします。
       
(c) EDIT-REAL inc.